Tuesday, April 26, 2011

Garmin Forerunner 610: 410との違い

いよいよNike等の大手も参入し、ますます競争が激しくなりそうなGPS腕時計業界ですが、Garminも今度はかなり 短期間で410の後継と言える新製品を投入してきました。
中でも、まるでiPodからiPhoneへの移行を思わせるような、タッチベゼルからタッチパネルへの変更が目玉になっており、 それにともなったユーザーインターフェースの変更がこれまでの400シリーズとの大きな違いとなります。 とはいえ、実は細かい部分はかなりの変更が加えられ、今までのユーザは使い勝手で少し混乱するかもしれません。 主な機能追加は
  • タッチパネル採用
  • アラーム用にバイブレーション搭載
  • TANITA BC-1000(ANT+ 準拠の体重計との)通信
  • Training Effect
  • Virtual Racer™


  • さらに、機能追加のみならず、整理されたものもあります:
  • シンプルワークアウト機能削除、簡単なカスタムワークアウト直接編集可能に
  • コース記録機能は削除に
  • ユニット間データ通信機能も削除: (トレーニングデータのトランスファー機能:使う人は少なかったであろうと)


  • また、物理的な変更も面白いところで:
  • 重量は増加: 60gから72g
  • サイズは縮小: 厚みも160mmから142mmに
  • バッテリー寿命: パワーセーブ時の寿命が2倍に(2weeks->4weeks)
  • 充電クリップの変更: 互換性は消失、ただし装着性は向上
  • ディスプレイ上部の表示領域を拡大: 表示情報量は若干拡大
  • どっこいどっこいでしょうか?

    以下、詳細についてです。

    Training Effect機能
    Suuntoの時計に搭載されていたFirstbeat Technologies社のTraining Effect計測機能がとうとうGarminにも 搭載です。リアルタイムにトレーニング効果を計測する機能で、運動強度の蓄積を見るようなものと考えると 判りやすいかもしれません。

    防水性能は変化無し?
    実は、FR400シリーズもご多分に漏れずかなり防水が弱かったですが(この辺は腕時計製造の歴史が浅いGarminらしいところですが)、 残念ながらスペック上は610も同じ防水性能のままです。実際の性能が少しでも改善されてればよいのですが。 あと、ボディそのものの強度は上がったのかどうか・・・

    アクセサリー互換性
     400シリーズの充電クリップやリストバンドとの互換性は無くなりました。
    ただし、充電クリップの使い勝手が向上しており、マグネットの採用によって装着の失敗が低減しています。 こんなところもMacに似てきている?

    Footpodのキャリブレーションについて
    Footpodで距離計測を行う時のキャリブレーションファクター(係数)についても、 今回の610で明らかにされてます。単純に、Footpodで計測された距離 x (ファクター/1000)ということです。 恐らく400シリーズでも同様かと思われます。単純な比例式なので、逆に言えば、距離の判っている長距離コースを 走って係数を調整するのがとても楽です。単純に、ファクターを1000にして既存の距離を走り、その誤差を計算すれば OK。950にすれば、(センサーの計測した距離から)5%短く計算する、といった具合です。

    記録方式について
    実はなにげに、データ記録に関しても、毎秒記録方式だけでなく、要所要所のみのポイントを記録する アルゴリズムも選択できるようになってます。 これにより、より多くの記録を残せるわけですが、データの質はアルゴリズム次第となるでしょう。
     ※実はかつてあった機能が復活

    タイムゾーンは自動切り替えにに変更
    あと、マイナーなところで、デュアルタイム機能がひっそりと無くなってます(笑) ただし、GPS信号によるタイムゾーンを自動認識するようになったため、手動でタイムゾーンを 切り替える必要がなくなったので、機能としては進化していると言えます。 とはいえ、別のタイムゾーンを一アクションで参照するような使い方が不可能になってしまいました。

    トレーニングヒストリー機能: 週トータル、月トータルの表示も可能に
    今までの400シリーズでは、記録されている全トータル距離数+時間数のみの表示 でしたが、週・月のトータルも表示可能に。まあ今までが非実用な機能だったので。。。

    Virtual Racer™
    Virtual Partner機能と違い、以前に記録したレースデータと照合してどの程度の進み遅れがあるかを 表示します。しょっちゅう同じレースに出る場合は使い勝手はある? Virtual Partnerは一定速度のペーサーなので、進化機能ではありますが、必要かどうかは 人によるところです。

    External Power Pack?
    再び、他のForerunner も対応機種に上がっています。要は、USBチャージが可能ということなんでしょう。 ソーラー充電が売りといったところかと。

    ディスプレイ上部の表示領域を拡大: 表示情報量は若干拡大
    おかげでトレーニング時の表示アイテム最大数が、3つから4つになりました。

    なにげにGPS性能が向上? Updated!
    ココ によると、GPSチップが SiRFstar IVになっています。これにより、衛星補足時間、消費電力、 位置精度、受信感度などが改善されるとのこと。610がどこまでSiRFStarIVの性能を生かしきって いるか、みどころです。

    トータルの評価
    せっかく410で完成度を高めたタッチベゼルを捨て、思い切ってタッチパネルを採用したのは 大したものです。反面、400シリーズの熟成度/完成度をある程度捨てることでもあり、 大きな機能では実はマイナーチェンジといえるので、こうなると安くなったFR405もかなり魅力的であり、 他社のGPS腕時計も選択肢として魅力的です。Garminの他製品も(例えばFR210)も悪くなく、 正直なところFR610はさすがに割高感が大きいのではないでしょうか? Refurbished iPad1すら買えてしまう値段ですから。。。そろそろ主流から外れてくる時期なのかも しれません。値段の割には腕時計としての耐久性・品質がいまいちなのも、Garminの弱みです。
    しかし、なんだかんだと随所にApple社製品のUE/UIの影響が見て取れるのが面白いですね。